ピッツバーグ大学 Katz Graduate School of Business 日本人在校生によるウェブサイトです。
イニシャル E・S
留学形態: 企業派遣(鉄道)
社歴 : 6年
出身大学: 慶應義塾大学 文学部
専攻 : HR、マーケティング(予定)
海外経験: 海外旅行程度
・Why MBA
入社当時から日本の鉄道の高い技術力を海外へ輸出することを志していたこと、入社以降は地方支社にて鉄道事業に関わる中で、車社会において鉄道事業の収益を確保・向上させる、という収益面での課題に直面しマーケティングに興味を抱いたことから、海外事業展開を視野に、経営学を学ぶ必要性を感じました。また、営業部門での実務経験を通して、効率的な業務遂行を目的とした組織体系の構築、属人に依らない数値に基づく業務プロセスを確立させることの重要性を実感し、体系的な知識(統計分析、市場分析・財務、組織体系・人事など)に加え、多様な価値観を身に付けるべく留学を希望しました。
・Why Katz
経営学を学ぼうと志したきっかけは、マーケティングを中心に体系的にビジネスを学ぶことでしたが、企画部門における業務の中で実務レベルでの組織体制強化の重要性を認識し、長期的な視点で会社全体の組織体制や社員育成について学びたいと考え、HR(ヒューマンリソース)に強みのある学校に絞りました。その中でKatzは、「少人数制」「コラボレイティブ」を謳っており、教授陣・学生とコミュニケーションが密にとれることと、留学生比率が高く多様な価値観を身につけられることが魅力でした。最終的に進学先を決める段階では、勉強に集中しやすい環境、女性が単身で暮らす安全性、気候などを総合的に鑑みました。
・受験プロセス
2017年 6月 社内選考合格
コンサルタント契約(Ivy League Consulting)
2017年 7月 TOEFL受験(以降2週間に1回、2月まで計15回受験)
2017年 8月 レジュメ完成
2017年10月 GMAT初受験(月1回、1月まで計4回受験)
AGOSでのKatz学校説明会、QS Fairに参加
2017年12月 出願校決定、エッセイ作成開始
2018年 2月 GRE受験、最後のTOEFL受験
2018年 3月 Katz同窓とのスカイプインタビュー・出願・面接準備
2018年 4月 Katzキャンパスビジット及び面接、進学先決定
・TOEFL
TOEFL学習を始めてから、まず全体像と戦略などを理解するためAGOS(渋谷)に通い、Speakingが伸び悩んだ冬からE4TG(大手町)に通いました。そのほか、業務では英語を使うことがなかったため毎日のSkype英会話、インターネットでのwriting添削、単日のTOEFL講座など、様々な手段を駆使しスコアアップに努めました。社費候補生に決まった夏からTOEFLは2週間に1回の頻度で受け、秋頃からは本番受験のない週末、もしくは試験の前日に、同様の時間配分でETSのTOEFL Practiceを受験するようにしました。TOEFLは総合的な英語力に加えて特有の戦略があり、回数をこなすことでしか自分の苦手意識が見えない部分があると聞いていたので、時間配分などできるだけ本番に似た環境を作り、目標スコアを取るために認識すべき自分の苦手箇所を把握するようにしていました。
途中TOEFLのスコアが伸び悩んだ時期に、IELTSの受験も検討しましたが、結果的にTOEFL一筋でスコアメイクしました。途中の早い段階であればIELTSへ移行してもよかったかなと思います。とはいえ、どちらにしても容易にスコアが出せるようなテストではないため、単語を基本とし着実な英語体力をつけることが大切です。
オススメの講座など: Speaking:E4TG、それ以外:Andy講師による単日講座
・GMAT・GRE
TOEFLと同様、GMATの概要や戦略を学ぶためにAGOS(渋谷)のVerbal・Mathを受講し基礎を身につけました。その後、AGOS教材の繰り返しの演習と、GMAT Prepを受講することで時間配分の感覚を養い、自分なりの戦略(Verbalの苦手なCRは悩んでも2分以上かけない、最後の3問はランダムクリック。Mathは2問ミスまで許容。など)をたてPrepで試し何度か繰り返す中で、確立した自分の戦略で本番受験をしました。しかし、Prepのスコアとは裏腹に本番のスコアメイクはうまくいかず目標点に達せなかったため、1月からGREの受験に切り替えるという選択をしました。思っていたほど切替えの勉強量などに労力をかけず移行ができ、相性がよく1回で目標スコアに達しました。TOEFL→IELTSと同様、状況に応じて切り替えの検討もおすすめします。
・エッセイ
Ivy League Consultingを利用しました。一般的にはあまり有名な会社ではないかもしれませんが、地方に住んでいたため、Skypeなど柔軟に対応してくれることも魅力的で、受験が決まった6月に契約をしました。担当カウンセラー(Matt)は最後まで親身にサポートしてくれ、コストパフォーマンスに優れた良いカウンセラーです。彼の質問に答える形で、自分のこれまでの業務を洗い出し、MBA取得後の自分の目標設定と「Why MBA」をまとめ、各出願校のテーマや文字制限に合わせエッセイを作成していきました。「Why Katz」については、10月に開催されたAGOSでのKatzの説明会や社内のネットワークを通じてアラムナイの方にお会いし、またSkypeやメールを通じて在校生と連絡をとり、インターネット上の書き込みなどでは得られないフィット感を体感しつつ、内容をまとめていきました。カウンセラーのMattはアメリカ人で、やりとりは全て英語だったため、意思疎通に詰まることも多々ありましたが、英語力向上の意味でも、翻訳などが不要で時間短縮ができるといった意味でも、英語で対応する方が、後ほどさらに忙しくなった時期に効率的に進められたと思います。
・インタビュー
想定される設問をもとに、流れをつかむまでは内容を暗記し、慣れてきたら伝えたい要点だけをもとに、自分の言葉で伝えられるように練習しました。英語の発音や抑揚などの改善、回答内容の客観的意見を得るために、エッセイカウンセラーと数回の面接練習、オンライン英会話Bizmatesを活用し、ビジネス用語の言い回しなど細かい部分を添削してもらいました。私はKatzへの志望度が高かったため、キャンパスビジットもかねて現地で面接を受けました。本番は緊張をして、質問が聞き取れないというハプニングも経験しましたが、数多く練習した分だけ、本番も落ち着いて臨めると思います。
・最後に
MBA受験を目指し始めた段階で、レベル設定・スケジュール(短時間で準備できるもの・目標達成まで長期間かかるものの見極め)を作成し、長い時間を要するものは、着実に対策を講じることが必要です。私は半年先の予定をたて、そこから逆算しやるべき勉強や出願準備の内容・1日あたりに費やす時間を決め、移動時間・出社前・帰社後のほとんどを勉強に費やしました。しかし実際には、思い描いていたスケジュールとは程遠く、日々スケジュールをリバイスし続ける日々でした。無事に受験を終えるためにも、そのあと現地で生き抜いて行くためにも、英語力に充分といえるレベルはないです。多くの受験生がいうことですが、私の場合はひときわ最後までスコアアップに苦しめられたため、留学を目指し始めた時から着実に英語力の向上にむけて努力するべきだったと反省しています。
また、業務と並行しながらスコアアップを目指し、合格まで辿りつくことは並大抵のことではありませんでした。家族の支えや職場の方々の協力無くしては絶対にできなかったです。受験の過程のなかで何度も思いましたが、こうして終わってみても本当に感謝しています。職場の方へ理解を得るのは難しい環境の方も多いと思いますが、コミュニケーションをよくとり円滑に準備を進められると良いと思います。
受験期間は今振り返っても、これまでの人生でおそらく最も過酷な期間で、何度も諦めようかなと思いましたし、幾度となく新たな境地にたたされました。しかし、今この地で勉強をしている貴重な時間を考えると、得られるものは計り知れないので、あの時なんとか諦めずに乗り越えられて良かったと心から思います。受験生の皆さまが、納得のできる受験生活を送られるよう応援しております。